2025.05.12 13:05表現することの意義:教育実践と学術的視点から今日のアート活動から(年長組幼児)表現することの意義:教育実践と学術的視点から1. 消しゴムを使わなくなった ―「やり直さない」から「受け入れる」へ表現活動において消しゴムを使わないという実践は、子どもたちに「間違いは学びの一部である」という認識を育てます。これは、教育心理学でいう「成長マインドセット(Dweck, 2006)」の育成に通じます。試行錯誤を繰り返すプロセスそのものに価値を見出し、結果よりも過程を大切にする態度が培われるのです。2. 失敗を恐れなくなった ― リスクを取ることができる安全な環境表現活動は「正解のない問い」に向き合う機会を提供します。失敗を恐れずに自分の内面を表現することは、心理的安全性(Amy Edmondson, 199...
2025.05.11 08:45子どもの心の成長を促すアート活動 ― 想像力とレジリエンスの関係性に着目して ―子どもの心の成長を促すアート活動 ― 想像力とレジリエンスの関係性に着目して ―はじめに現代社会において、子どもたちが直面する課題は複雑化しています。学力やスキルに加えて、非認知能力、特に「心の力」(レジリエンス、共感性、自己表現力など)が重視されるようになっています。アート活動を通じて育まれる心の成長に焦点を当て、特に想像力がどのように子どもの内面を豊かにし、困難を乗り越える力に繋がるのかを検討します。アート活動と心の発達の関係アートは単なる技能の習得ではなく、感情の表現、自我の確立、他者との共感形成に寄与する創造的な活動です。心理学者ローウェンフェルド(Lowenfeld, 1947)は、子どもの発達段階に応じた美術活動の重要性を提唱し、創造的表現...
2025.05.11 02:07「直感と論理をつなぐ思考法」から着想を得た、発達に課題のある子どもの美術教育に関する考察の一例以下は、「直感と論理をつなぐ思考法」から着想を得た、発達に課題のある子どもの美術教育に関する考察の一例です。はじめに近年、教育において「非認知能力」や「創造性」の重要性が強調される中、美術教育の再評価が進んでいる。特に、発達に課題のある子どもにとって、美術は自己表現の手段としてのみならず、認知発達や社会的スキルの涵養においても意義深い教育的価値を持つ。そこで本稿では、著者:佐宗邦威による『直感と論理をつなぐ思考法』における思考の枠組みを援用し、美術教育における発達支援の可能性を考察する。1. 「直感」と「論理」の統合的思考モデル佐宗邦威は、創造的思考を「直感」(感覚的・感情的・身体的な知)と「論理」(分析的・構造的・言語的な知)との循環的プロセスとして...
2025.04.25 22:47美術教育における主観性と客観性の交錯 ― 感性を育む対話の場としての教育美術教育における主観性と客観性の交錯 ― 感性を育む対話の場としての教育美術教育は、単なる技能の習得にとどまらず、主観性と客観性の両面から成り立つ創造的営みである。子どもたちは、自らの内側から湧き上がる感情やイメージを、まだ言語化しきれない「実直な感覚」として作品に表現する。このような感覚は、常に未完成であり、曖昧であるがゆえにこそ、教育の場では慎重かつ真摯に受け止められる必要がある。ここで問われるのは、指導者としての教員の資質である。子どもたちの表現を評価するにあたり、既存の価値基準や技術的な優劣に頼るだけでは、本質を見失ってしまう。むしろ、教員には、自らが培ってきた審美眼と観察力をもとに、子どもの内なる声に耳を澄ませ、その表現の核にある感情や意図を...
2025.04.17 02:49「ネコと鉛筆」「ネコと鉛筆」~想像がひらくアートの世界~ この日のアート活動で仕上がった作品は、「ネコと鉛筆」というユニークなテーマでした。 ネコを自由に想像ふくらませ、思い思いの世界を描きました。 年長組の幼児が生み出した作品は、とてもユニークで、思いもよらない発想が次々と飛び出しました。 ユニークでカラフルな鉛筆とネコ。それを描きながら楽しそうにお話をしてくれて、制作の時間は笑顔とひらめきであふれていました。 想像の翼をめいっぱい広げて描いた作品は、見ているこちらまでワクワクしてしまうほど。子どもの柔らかな発想の力に、今日も驚かされました。 次はどんな世界が広がるのか、楽しみです。 #カラフル #ネコ #鉛筆 #ユニーク #発想 #想像 #楽しい #年長組 #幼...
2025.04.15 08:55アート活動における想像力と創造性の発達的意義。今回始めたアート活動について。 アート活動における想像力と創造性の発達的意義。 子どもの想像力を引き出すアート活動の実践:ジョアン・ミロ作品鑑賞と植物観察を通じた創造活動の考察 。はじめにアート活動は、子どもたちの内に秘められた未知の想像力を引き出し、豊かな感性や創造性を育む重要な教育的営みである。特に、作品鑑賞や自然観察などを通じて感性を刺激することで、子どもたちは自発的に思考を広げ、自己表現の力を身につけていく。 このレポートでは、ジョアン・ミロの作品鑑賞を契機とした子どもたちの想像的反応と、植物観察を基盤とした創造的課題への取り組みについて考察し、アート活動における想像力と創造性の発達的意義について論じる。 1. ジョアン・ミロ作品による想像の喚...
2024.11.28 14:45発達に課題のある子どもたちにとって、アートは多くの重要な役割を果たします。発達に課題のある子どもたちにとって、アートは多くの重要な役割を果たします。以下にそのいくつかを挙げます。 自己表現の手段 アートは言葉を使わずに感情や考えを表現する方法を提供します。発達に課題のある子どもたちは、コミュニケーションが難しい場合があるため、アートを通じて自分を表現する機会が重要です。 自己肯定感の向上 アートを通じて創造的な活動を行うことは、子どもたちの自己肯定感を高める助けになります。作品が完成したときの達成感が子どもたちに自信を与えます。 感覚統合の促進 アート活動には、触覚、視覚、運動技能が関与します。これにより、感覚統合のスキルを発展させることができ、発達に課題のある子どもたちにとっては特に重要です。 社会的スキルの発展 グループ...
2024.11.25 02:48STEAM教育と美術教育の連携についてSTEAM教育と美術教育の連携について STEAM教育は、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Arts(芸術)、Mathematics(数学)の頭文字を組み合わせたもので、これら5つの分野を統合的に学ぶ教育のことです。 なぜSTEAM教育に美術(Arts)が含まれるのか? ・創造性と問題解決能力の育成:美術活動は、自由な発想と表現力を育むだけでなく、問題を発見し、解決策を模索する力を養います。これは、STEAM教育が目指す創造的な人材育成に直結します。 ・論理的思考と直観的な思考のバランス:美術は、論理的な思考だけでなく、直感的な思考や感性も重要視します。STEAM教育では、両方の思考をバラ...
2024.10.22 14:45発達障害を持つ子どもに対する美術教育発達障害を持つ子どもに対する美術教育は、彼らの知覚や感性を育むために非常に有効な手段となります。以下では、美術教育がどのように役立つのか、また展示会を行うことの効果について詳しく説明します。 美術教育の効果 1. 知覚の向上 美術は視覚的な表現を中心とした活動であるため、色、形、質感などを通じて、子どもたちの視覚的な知覚を豊かにします。 作品を制作する過程で、対象物を観察し、分析する能力が向上します。 2. 感性の育成 表現活動を通じて、自己の感情や思いを伝える力を養います。これにより、自分自身の感情に対する理解も深まります。 多様なアートスタイルに触れることで、他者の感情を理解する力も育ちます。 3. 社会性の向上 グル...
2024.10.15 06:21作品展が開催しました。素晴らしい作品展になりました。子どもたちの心の響きが作品を通じて表現され、観る人々に感動を与えてくらます。今日の展示中に多くの方々が作品に対して肯定的な反応を示しているのも、子どもたちの努力や創造性が伝わっている証拠です。展示会を通じて、子どもたちの成長や表現力を感じられるのは非常に貴重な経験です。この感動を子どもたちと分かち合うことで、彼らにとっても大きな励みになることでしょう。ぜひ、その思いをみんなに伝えてあげたいです。そして、作品展が成功を収めることを心から願っています。
2024.10.13 09:13作品展児童発達支援・放課後等デイサービスたんぽぽのわたげ「作品展」 15日(火)14時から27日(日)15時までラコルタ(大阪府吹田市立市民公益活動センター)開催。 今回、かねてから望んでいた作品展が開催されることになり、とても嬉しく思っています。 子どもたちがアートの時間を楽しく絵を描き過ごして、その結果仕上がった作品を観ていただけます。 このことは、子どもたちにとってとても良い刺激となり自信につながります。 児童が夢中になり、頑張った作品や発達障害の子どもたちが、自分と向き合い、楽しく仕上げた作品です。 私自身、指導をしていて、決して優れた作品を仕上げることを目的としていません。 アートの活動を...
2024.10.07 14:32展示会を控えて未就学児や子どもたちがアート活動を通じて楽しさを感じることは、自己表現や創造性を発揮する貴重な経験です。その普段から楽しんでいるアートに加え、自分の作品が展示会に出展されるという特別な出来事があると、さまざまな心理的変化が生まれます。自己肯定感の向上自分の作品が他人に見られることは、特別な認識を伴い、自己肯定感を高めます。子どもたちは自分の努力や創造性が評価されることで、自己価値を感じることができます。期待と興奮展示会というイベントが近づくにつれて、ワクワク感や期待感が膨らみます。このような感情は、特別な体験をすることで子どもたちの心を躍らせ、アート活動に対する興味をさらに深めることにつながります。所属感と連帯感作品が展示されることで、他の参加者や観客...