2025.10.16 13:20想像を育む美術教室想像を育む美術教室― 豊かな心を育てるアート教育 ―1.教育理念本教室は、「美術の技術を学ぶ場」ではなく、「美術を通して心を育てる場」です。描く・作るという行為を通して、自分の中にある思いや考えを形にすること。その体験が、達成感や成功体験を生み、やがて豊かな想像力と心の成長へとつながります。長年、大学で「想像」と「心の発達」に関する研究を続けてきた教育理論を基盤に、すべての人が自分らしく表現できるアート教育を実践しています。2.対象年齢や特性を問わず、どなたでもご参加いただけます。•幼児(3歳)から小・中学生•高校生・大学生•成人・高齢者(認知症の方を含む)•発達に課題のある方も安心して通えます。3.学びの特長 • 完全予約制・個別対応 他の受講生を気...
2025.09.04 09:27認知症高齢者の想像力とアート活動の学術的考察認知症高齢者の想像力とアート活動の学術的考察―教育心理学・行動心理学・美術教育の視点から―1. はじめに認知症は記憶や認知機能の低下を特徴とするが、それを「能力の喪失」と一面的に捉えることは不十分である。むしろ、認知症においては既存の認知枠組みが変容することで、独自の想像や創造が現れやすくなる(Zeilig, 2014)。特にアート活動は、認知症高齢者の潜在的能力を引き出し、社会的交流や自己表現を可能にする実践として注目されている。本稿では教育心理学、行動心理学、美術教育の枠組みを加え、認知症とアート活動の意義を学術的に検討する。2. 教育心理学の視点教育心理学は、人間の学習と発達のプロセスを明らかにする学問であり、認知症高齢者の活動にも応用可能である...
2025.08.25 14:49工作キットを通じた想像と創作の学術的考察工作キットを通じた想像と創作の学術的考察1. はじめに本報告は、子どもがペーパークラフトによる旅客機の制作を行う過程において示した発言や想像の広がりを観察し、その教育的意義を発達心理学・教育心理学の観点から考察するものである。特に、知識の再生にとどまらず、想像力や思考の柔軟性が発揮される点に注目する。2. 活動の概要対象児はペーパークラフトで旅客機を制作した。その際、一つひとつの部品を組み立てるごとに「これは飛行に役立つ部位である」と説明を加え、まるでパイロットのように飛行原理を語った。また、知識として得ている情報に自身の想像を加え、飛行の仕組みを物語的に語る姿が観察された。3. 発達心理学的考察ピアジェの認知発達段階論によれば、幼児期から児童期にかけ...
2025.08.18 23:50想像力と表現力を重視したアート活動の教育的意義想像力と表現力を重視したアート活動の教育的意義はじめに本研究の目的は、アート活動における「想像力」と「表現力」の関連性を明らかにし、特に発達に課題のある子どもたちにおける教育的効果を検討することである。従来の美術活動は、色彩や形態の美しさに焦点を当てる傾向が強い。しかし、本活動では「見た目の美しさ」よりも「想像から表現へとつなげる思考過程」に重点を置いた。方法活動では、子どもに日常的な素材である紙コップを提示し、それを出発点に自由な想像を展開させた。作品づくりの過程において、子どもは素材の持つ制約を受けつつも、その制約の中で独自の発想を見出し、新しい造形表現へと昇華させることが期待された。結果観察の結果、子どもたちは紙コップという限定的な素材を起点に、...
2025.07.27 02:18美術活動がもたらす発達に課題のある子どもたちへの効果美術活動がもたらす発達に課題のある子どもたちへの効果― 心理学的・教育学的視点からの考察 ―1. はじめに発達に課題のある子どもたちに対する支援のあり方は多様であり、その一環として美術活動は注目を集めている。美術活動は、感覚的な刺激と自己表現を通して、子どもの認知的、情緒的、社会的な側面の成長を促すことができる。特に、発達障害(ASD、ADHD、LDなど)を有する子どもにおいては、言語的表現が困難である一方、視覚的・感覚的なチャンネルを通じた表現は比較的得意とするケースも少なくない(堀田・杉山, 2018)。本稿では、美術活動が発達に課題をもつ子どもたちに与える影響について、心理学的および教育学的視点から考察する。2. 美術活動の基本的特性と意義美術活...
2025.07.21 14:46アート活動における想像力・達成感・思考の育成と主体性の醸成。アート活動における想像力・達成感・思考の育成と主体性の醸成。-特に発達に課題のある子どもへの意義-1. はじめに近年、幼児教育・特別支援教育の分野において、芸術活動の持つ教育的意義が再評価されている。アート活動を通して得られる想像力、達成感、思考力の形成は、子どもの心身の発達において極めて重要な役割を果たす。本稿では、特に発達に課題のある子どもたちに焦点をあて、アート活動がもたらす多面的な教育効果について論じる。2. アート活動の教育的価値2.1 想像力の育成アート活動は、子どもが自らの内面を表出し、新たな視点を創造する場である(Eisner, 2002)。とりわけ絵画や造形などの自由表現の中では、言語による表現が難しい子どもであっても、自己の感情や世...
2025.06.17 13:44美術教育は、子どもにとって社会にとって必要不可欠です。美術教育は、子どもにとって社会にとって必要不可欠です。美術教育による思考力・想像力の発育とそこから生まれる能力の拡散。1. はじめに現代社会においては、単なる知識の習得にとどまらず、自ら思考し、他者と協働しながら創造的に問題を解決する能力が重視されている。そのような背景の中で、美術教育は、知的発達や情緒的成長を支える教育的手段として再評価されている。特に幼児期から児童期における美術教育は、思考力と想像力の発育に寄与し、それが他の学問領域や社会的スキルへと拡散していく可能性を秘めている。本稿では、美術教育が子どもの思考力・想像力に与える影響を考察し、そこから波及する能力の多面的発展について論じる。2. 美術教育における思考力と想像力の定義。美術教育におけ...
2025.06.15 11:13子どもたちの美術教育:思考の発達からなる心の教育とは子どもたちの美術教育:思考の発達からなる心の教育とは子どもたちの美術教育は、単なる技術習得にとどまらず、内面的な心の育成や思考の発達に密接に関係している。近年、非認知能力(自己制御、共感性、創造性など)が子どもの将来的な幸福感や社会的成功に大きな影響を与えることが明らかにされ(Heckman, 2006)、美術を通じた教育実践は、その発達において重要な役割を果たすと考えられている。美術活動において、子どもは自分の感情や考えを形にし、他者と共有する経験を積む。このプロセスは、自己理解や他者理解を深める上で非常に有効であり、子どもの内面世界の拡張に寄与する(岡田, 2012)。また、創作における試行錯誤や問題解決の過程は、論理的思考と直感的判断のバランスを...
2025.06.04 02:11子どもにおける美術教育の原点に関する一考察。子どもにおける美術教育の原点に関する一考察。美術教育において重要な要素の一つは、「その瞬間」における構図やシチュエーション、さらに色彩を的確に観察する力と考えています。この観察行為を出発点として、子どもは自らのこれまでの経験や想像を内面から引き出し、それらを組み合わせることによって、創造的な表現を生み出します。すなわち、外的な視覚的要素と内的な想像力の融合によって、個々の美術的表現が成立します。このような創造行為において、美術は単なる技術習得の対象ではなく、子ども自身の主体性を育む媒体として機能しています。美術を通じた表現活動は、自己理解や他者理解、さらには感情のコントロールや意思決定力など、広義の「生きる力」と深く関わっています。以上の観点から、美術...
2025.06.04 02:08美術教育における子どもたちとの共創的世界観の形成。美術教育における子どもたちとの共創的世界観の形成。想像力を媒介とした教育実践の考察。はじめに本研究は、美術教育の現場において、子どもたちと共に「世界観」を想像・構築するプロセスの意義と、その教育的効果について考察するものです。従来の美術教育が技能習得や作品制作の完成度に重きを置いてきた一方で、近年では非認知能力や創造的思考、自己表現の重視が求められています。本研究では、子どもたちの想像力を起点にした対話的・探求的なアプローチに焦点を当て、教育者と子どもが対等な立場で「共に創る」世界観の実践例を分析します。背景と目的子どもたちは、成長過程において自己と世界の関係性を多様な感覚と経験を通して築いていきます。その過程で、美術は「見えないものを見る力」、すなわ...
2025.06.01 05:20幼児期から小学生期におけるアート表現活動の認知・創造性発達への影響。幼児期から小学生期におけるアート表現活動の認知・創造性発達への影響。―クレヨン・絵の具の着色とちぎり絵の活動を通して―1. はじめにアート活動は、子どもの表現力・創造性・認知的発達において中心的役割を果たします。特に年長組(5〜6歳)から小学校中学年にかけては、自己表現の多様性が広がり、発達段階に応じた感覚運動的・認知的経験が相互に結びつく重要な時期です。このレポートでは、クレヨン・絵の具による着色、およびちぎり絵を中心としたアート活動が、子どもの発達にどのような影響を及ぼすかを、発達心理学および教育心理学の観点から考察します。2. アート活動の概要と発達段階2.1 クレヨン・絵の具による着色クレヨンや絵の具による着色活動は、視覚的・触覚的な刺激を伴い...
2025.05.26 00:28アート活動の意義と発達支援における役割。先日の授業からアート活動の意義と発達支援における役割。達成感・想像力・自己表現が育む「生きる力」。1. はじめに発達に課題のある子どもたちは、認知、言語、社会性、運動などの面で特有の困難を抱えることがあります。しかし、そうした困難を「能力の欠如」として捉えるのではなく、「異なる表現や学びのスタイル」として理解するアプローチが近年注目されています。アート(美術)活動は、その子どもたちが自分らしく表現し、自己肯定感や達成感を得るうえで非常に有効な手段であり、また、将来的な「生きる力」を育む土台ともなります。2. アート活動の心理学的・発達的効果2-1. 非言語的コミュニケーションの促進。発達に課題のある子ども、特に自閉スペクトラム症(ASD)や言語発達遅滞...