2025.10.29 11:45想像を育める美術教育とは想像を育める美術教育とは―教育心理学・行動心理学・発達心理学・アート思考からの考察―1.はじめに従来の美術教育は、技術的な上達や完成度を重視する傾向がありました。しかし、現代の教育心理学や発達心理学の視点からは、「結果よりもプロセス」「表現よりも想像の発露」が重視されつつあります。美術教育は、単なる“描く・作る”活動ではなく、子どもの想像力・思考力・感情表出を支える発達的基盤としての役割を担っています。2.教育心理学からみた「想像の育成」教育心理学の立場では、学びとは「内発的動機づけ(intrinsic motivation)」によって支えられる自己成長のプロセスとされています(Deci & Ryan, 1985)。美術活動における想像は、まさ...
2025.10.27 10:10今、なぜ子どもに美術教育が必要なのか 。今、なぜ子どもに美術教育が必要なのか 。近年、子どもたちの中に「自分の思いを表現できない」「間違うことを恐れる」姿が多く見られるようになっています。学校や社会の中で「正しい答え」を求められる場面が増える一方で、子ども自身の感じ方や考え方が尊重されにくい環境が広がっています。たとえば、「答えが違う」と非難される。「そんなことはだめ」と否定される。「自分の思い」が受け止められない。このような経験の積み重ねが、子どもたちに「どうせ分かってもらえない」という思いを抱かせ、やがて自分の中の考えや感情を表に出すことを避けるようになります。その結果、自信の低下や自己肯定感の揺らぎが生まれ、学びへの意欲や人との関わりにも影響を与えかねません。私たちは、この現状を踏まえ...
2025.10.22 11:44子どもが自己表現することの心理学的意義子どもが自己表現することの心理学的意義1.報告の目的本報告は、美術教育を通して行った実践において、子どもが「自己表現」を行うことの心理学的意義を明らかにすることを目的とする。現代の子どもたちは、他者との比較や評価に敏感であり、自身の考えや感情を素直に表現することが難しい傾向が見られる。そこで、本実践では「上手に描くこと」よりも「自分の思いやイメージを自由に表すこと」を重視し、表現行為が子どもの心の発達にどのような影響を及ぼすかを検討した。2.実践の概要これまでの活動では、子どもが「これを作ってみたい」「こんな世界を描きたい」と自らの内的動機づけによって制作を進めた。制作過程での発言や行動、作品の変化を通して、心理的発達の傾向を観察した。3.理論的背景(...
2025.10.19 13:15体験会を通してみる幼児の心の成長。体験会を通してみる幼児の心の成長 本日、11月から開校する「想像を育む美術教室」の体験会を行いました。参加してくれた幼児たちは、それぞれの心の中にある“思い描く力”を存分に発揮し、自由で豊かな作品を生み出しました。制作の途中から完成に至るまで、幼児たちは笑顔を絶やさず、創作の過程そのものを楽しんでいました。1. 「想像」の表現は、自己形成の第一歩教育心理学において、幼児期は「自己の確立」の基盤が形づくられる重要な時期です。この時期の子どもたちは、外界の刺激を受け取りながら「自分なりの世界」を心の中でつくり始めます。今回の活動でも、素材を手にした瞬間からそれぞれが独自の想像を思い描き、「こうしたい」「こんなの作ってみたい」と言葉や行動に表していました。こ...
2025.10.16 13:20想像を育む美術教室想像を育む美術教室― 豊かな心を育てるアート教育 ―1.教育理念本教室は、「美術の技術を学ぶ場」ではなく、「美術を通して心を育てる場」です。描く・作るという行為を通して、自分の中にある思いや考えを形にすること。その体験が、達成感や成功体験を生み、やがて豊かな想像力と心の成長へとつながります。長年、大学で「想像」と「心の発達」に関する研究を続けてきた教育理論を基盤に、すべての人が自分らしく表現できるアート教育を実践しています。2.対象年齢や特性を問わず、どなたでもご参加いただけます。•幼児(3歳)から小・中学生•高校生・大学生•成人・高齢者(認知症の方を含む)•発達に課題のある方も安心して通えます。3.学びの特長 • 完全予約制・個別対応 他の受講生を気...