2025.09.24 13:55認知症高齢者におけるアート活動の可能性に関する一考察認知症高齢者におけるアート活動の可能性に関する一考察 1. はじめに 従来、認知症や高齢という要因は「喪失」や「衰退」と結びつけられて語られることが多い。しかし近年の研究では、認知症高齢者であっても潜在的能力や創造的活動への可能性は保持されていることが明らかになりつつある(Kitwood, 1997)。本レポートでは、認知症および高齢という状況が必ずしも創造性や表現活動を奪うものではなく、むしろアート活動を通じて新たな可能性が見出される事例について考察する。 2. アート活動と高齢者の心理的意義 アート活動は、単なる娯楽にとどまらず、心理的・認知的・社会的効果をもたらすとされている。特に高齢者においては以下の意義が指摘できる。 a.自己表現の...
2025.09.21 12:25令和7年度 京都市ひきこもり支援事業補助金事業令和7年度 京都市ひきこもり支援事業補助金事業 9月6日はワークショップでした。 それぞれの思いを表現した作品は、独自性と個性が引き立っていてとても仕上がりが素敵な作品ができました。 次回10月13日(祝日)は、アート•キャンプ京都開催です。 多くの参加者を募ります。 落書きコーナーを設けていることから子どもも参加できます。 詳しくは、メッセージでお問い合わせください。
2025.09.19 14:30粘土活動における発達的意義とアート思考的展開粘土活動における発達的意義とアート思考的展開 発達に課題をもつ子どもたちの活動を中心に1. はじめに 発達に課題をもつ子どもたちが粘土工作に夢中になる様子は、表現活動における重要な発達的契機を示しています。 作画では十分に表出できなかった想像力が、粘土という立体的・触覚的媒体を介して顕在化している点は注目すべきです。 このレポートでは、この活動を発達心理学・行動心理学・教育心理学の観点から考察し、アート思考との関連を含めて報告します。 2. 発達心理学的考察 発達心理学において、子どもの表現は認知発達と密接に結びついています。 ピアジェの発達段階論によれば、前操作期から具体的操作期にかけて子どもは「象徴機能」を獲得し、対象を別のもので置き換える想像的活...
2025.09.04 09:27認知症高齢者の想像力とアート活動の学術的考察認知症高齢者の想像力とアート活動の学術的考察―教育心理学・行動心理学・美術教育の視点から―1. はじめに認知症は記憶や認知機能の低下を特徴とするが、それを「能力の喪失」と一面的に捉えることは不十分である。むしろ、認知症においては既存の認知枠組みが変容することで、独自の想像や創造が現れやすくなる(Zeilig, 2014)。特にアート活動は、認知症高齢者の潜在的能力を引き出し、社会的交流や自己表現を可能にする実践として注目されている。本稿では教育心理学、行動心理学、美術教育の枠組みを加え、認知症とアート活動の意義を学術的に検討する。2. 教育心理学の視点教育心理学は、人間の学習と発達のプロセスを明らかにする学問であり、認知症高齢者の活動にも応用可能である...