2025.04.29 08:00年長組幼児における美術活動の効果に関する考察年長組幼児における美術活動の効果に関する考察はじめに 年長組(5〜6歳)の幼児期は、自己表現の幅が大きく広がる時期であり、感受性や創造力が著しく成長します。特に美術活動は、子どもたちが内面のイメージを自由に表現する場であり、想像することや表現することへの喜びを促す重要な機会となります。今回、年長組幼児の美術活動に焦点をあて、その活動がもたらす心理的効果について考察します。 美術活動の特徴と幼児の反応 年長組の幼児たちは、絵を描く、色を塗る、形を作るといった美術活動を通じて、次のような段階的な体験をすることが観察されました。 1. 想像することの楽しさの体験 美術活動に取り組む過程で、子どもたちは自らの想像を自由に広げることを楽しむ姿が見られました。具体...
2025.04.28 02:04発達に課題のある子どもが美術活動によって想像を働かせることに関する発達心理学的考察研究ノート テーマ:発達に課題のある子どもが美術活動によって想像を働かせることに関する発達心理学的考察 ― ヴィゴツキー理論に基づく視点から 1. ヴィゴツキーの基本的視座 ヴィゴツキー(L.S. Vygotsky, 1896-1934)は、発達を個体内部の成熟過程だけでなく、社会的相互作用を通じた文化的形成過程と捉えた。 特に彼は、次の二点を重視している。 •発達の最近接領域(ZPD) 子どもが今自力ではできないが、支援を受ければできる範囲。学びと発達はこの領域で促進される。 •文化的道具(signs)と内在化(internalization) 言語、シンボル、イメージなど、文化的な道具を取り込み、自分の内部で操作できる...
2025.04.27 10:50実験:規則と不規則から実験:規則と不規則から(過去の実験から)今回「人間教育:自由に表現すること。規則の中での表現」の実験研究を行いました。自由な表現と規則のある中での表現を通じて得られる共感的理解は、異なる視点やアプローチの尊重に関連しています。自由な表現によって、この実験では他者とは異なる独自の視点やアイデンティティを表現し、その多様性を尊重することが重要であることを理解できます。一方、規則のある中での表現は、秩序や規律の重要性を示し、他者とのコミュニケーションにおいて共通のルールや枠組みが必要であることを認識します。これらの実験研究を通じて、学生は他者の独自性や個性を尊重しつつ、共通のルールや秩序の下で効果的にコミュニケーションを行う方法を理解します。その結果として共...
2025.04.25 22:47美術教育における主観性と客観性の交錯 ― 感性を育む対話の場としての教育美術教育における主観性と客観性の交錯 ― 感性を育む対話の場としての教育美術教育は、単なる技能の習得にとどまらず、主観性と客観性の両面から成り立つ創造的営みである。子どもたちは、自らの内側から湧き上がる感情やイメージを、まだ言語化しきれない「実直な感覚」として作品に表現する。このような感覚は、常に未完成であり、曖昧であるがゆえにこそ、教育の場では慎重かつ真摯に受け止められる必要がある。ここで問われるのは、指導者としての教員の資質である。子どもたちの表現を評価するにあたり、既存の価値基準や技術的な優劣に頼るだけでは、本質を見失ってしまう。むしろ、教員には、自らが培ってきた審美眼と観察力をもとに、子どもの内なる声に耳を澄ませ、その表現の核にある感情や意図を...
2025.04.25 14:14支援学校中等部に通う生徒の美術活動における変容。支援学校中等部に通う生徒の美術活動における変容。背景この日3人目のアーティストは、支援学校中等部に在籍する男子生徒。これまでの活動において、彼はしばしば絵を描くことを躊躇する様子が見られていました。その理由は明確には把握されていませんが、描画活動に対する心理的なハードルがあった可能性が考えられます。本日の活動この日は、彼自身から「絵を描きたい」と言葉にし、積極的に制作に取り組みました。特筆すべきは、近頃指摘されている身体能力の向上が、描線の安定性や力強さに反映されていた点です。輪郭線はこれまでにないほど明瞭で、手指のコントロールの向上が顕著に現れていました。その後の着色過程においては、色彩感覚の豊かさが際立ち、構成・選色ともに独自性に富んだ美しい仕上が...
2025.04.25 14:11作品制作レポート:年長児による自由表現活動この日2人目のアーティスト。研究レポート作品制作レポート:年長児による自由表現活動概要本報告は、年長組幼児による美術活動における表現の自由度と創造性の発揮について記録・考察したものです。対象となった幼児は、この日2人目のアーティストとして活動に参加しました。活動の様子当該児は、終始楽しげな様子で制作活動に取り組んでいました。特に注目すべきは、その表現における自主性であり、色彩の選択や構図の構成において、他者の影響を受けることなく、自身の内的イメージに基づいた表現を行っていた点です。考察本活動において、偏った概念や形式に基づく指導を排し、子ども自身の感性や興味を尊重した自由な制作環境を提供したことが、創造的な表現の発露につながったと考えられます。特に、本...
2025.04.25 11:50創造的表現活動における自己肯定感の育成 — 年長児の作品紹介を通して —本日(25日)のアート活動で生まれた作品は、いずれも個性的でしたので個々に紹介します。創造的表現活動における自己肯定感の育成 — 年長児の作品紹介を通して —本日のアート活動において、年長組の子どもが生み出した作品は、指導者にとって極めて衝撃的かつ示唆に富むものでした。特に注目すべきは、「豊かな想像力」と、それに裏打ちされた「自信に満ちた表現」です。この表現の背景には、単なる技術指導では得られない、子ども自身の内発的な動機付けと創造的思考の発露があると考えられます。制作の過程において子どもは、自らのイメージを言語化・視覚化し、試行錯誤を経てそれを完成させることで、自己の存在価値を確認していたと考えられます。特筆すべきは、この活動を通して表出した子どもた...
2025.04.24 17:10研究レポート:子どもの美術教育における「想像すること」の意義と影響。研究レポート:子どもの美術教育における「想像すること」の意義と影響。はじめに現代社会において、情報や技術の進化により、既存の知識を蓄積するだけでは対応しきれない課題が増加しています。こうした背景の中で、「想像する力」は、子どもたちが自らの人生を主体的に切り開いていくために不可欠な能力とされています。このレポートでは、子どもの美術教育の視点から、「想像すること」がもたらす事柄、変化、思考の働きについて考察します。1. 想像することで生まれる事柄。想像することは、目に見えないものを心の中で描き出す行為であり、新たな「かたち」や「意味」、「関係性」を創造する基盤である。美術教育においては、以下のような事柄が生まれます。•新しい表現の創出:既存の素材や技法にと...
2025.04.24 00:14モンテツリーにおける美術教育理念:想像と創造の育成を目指して今、たんぽぽのわたげでは、万博にちなんで「ミャクミャク コンテスト」を催しています。子どもたちそれぞれの認知力や想像力、そして表現力が発揮されていてとても楽しい催し物となっています。そのことから、今回は、モンテツリーにおける美術教育理念:想像と創造の育成を目指してを考えてみました。はじめに現代の教育において、知識の習得に偏るのではなく、子ども自身の内側から湧き上がる力、すなわち「想像」と「創造」の育成が重要視されています(Eisner, 2002)。美術教育はその中核を担う存在であり、モンテツリーにおいてもこの二つの要素が教育理念の中心に位置づけられています。本稿では、モンテツリーの美術教育理念における「想像」と「創造」の意義を明らかにし、その背景にあ...
2025.04.23 02:37美術教育における想像から育まれる人間教育美術教育における想像から育まれる人間教育―感性と非認知能力の育成を目指して―はじめに現代社会において、教育は知識や技能の伝達に留まらず、子どもたち一人ひとりの人間性を豊かに育む役割を果たすことが求められています。その中で美術教育は、単なる技術指導にとどまらず、想像力や表現力、感受性といった人間の根源的な力を育てる重要な場として注目されています。このレポートでは、美術教育が持つ「想像力」を起点とした人間教育の可能性について考察します。1. 美術教育における「想像力」の意義想像力とは、目に見えないものを思い描き、意味づけ、形にしていく人間特有の能力です。美術教育では、子どもたちが自らの内面と向き合い、自由にイメージを膨らせることが求められます。これは、正解...
2025.04.22 23:36年長組幼児におけるアート活動の意義と想像力の育成について年長組幼児におけるアート活動の意義と想像力の育成について―表現する思考の重要性に着目して―4月21日、年長組の幼児のアートの時間では、子どもたちの内面から多くの「想像」が湧き上がる様子が見られました。彼らが自由に表現する姿は、アート活動が単なる技術習得の場ではなく、創造的思考を育む場であることを示唆しています。想像力は、幼児期の発達において極めて重要な非認知能力の一つであり、困難な状況に対して柔軟に対処する「生きる力」の基盤となります(内田伸子, 2012)。アート活動は、そうした想像力を促進するうえで有効であり、自己の内面を可視化し、他者と共有する手段としても機能します(Eisner, 2002)。また、表現の巧拙にとらわれず、「考えて表現する」とい...
2025.04.20 14:40発達に課題のある子どもの精神的不安・ストレスに対するアート活動の効果。発達に課題のある子どもの精神的不安・ストレスに対するアート活動の効果。 ― 美術的および精神医学的観点からの考察 ― はじめに 発達に課題のある子ども(発達障害を含む)は、自己理解や対人関係、学習環境への適応においてさまざまな困難を抱えることが多く、これが精神的不安やストレスの要因となる。近年、こうした子どもたちの支援方法として、アート活動が注目されている。本稿では、アート活動がなぜ精神的負担の軽減に寄与するのかについて、美術教育の立場と精神医学の知見から考察する。 1. アート活動の特性と発達的意義 1.1 非言語的表現の重要性 発達に課題を持つ子どもは、言語によるコミュニケーションに困難を抱えることがある(APA, 2013)。絵画や造形...