年長組幼児におけるアート活動の意義と想像力の育成について
―表現する思考の重要性に着目して―
4月21日、年長組の幼児のアートの時間では、子どもたちの内面から多くの「想像」が湧き上がる様子が見られました。
彼らが自由に表現する姿は、アート活動が単なる技術習得の場ではなく、創造的思考を育む場であることを示唆しています。
想像力は、幼児期の発達において極めて重要な非認知能力の一つであり、困難な状況に対して柔軟に対処する「生きる力」の基盤となります(内田伸子, 2012)。アート活動は、そうした想像力を促進するうえで有効であり、自己の内面を可視化し、他者と共有する手段としても機能します(Eisner, 2002)。
また、表現の巧拙にとらわれず、「考えて表現する」というプロセス自体に価値があります。近年の教育理論においても、完成度よりもプロセスを重視する姿勢が強調されており(岡田猛, 2016)、これは創造的な問題解決能力を育てるうえで重要な視点です。
このように、年長組のアート活動を通じて見られる「想像がいっぱい生まれる」瞬間は、子どもたちが思考し、感じ、表現する営みそのものであり、未来を切り拓く力を育てる重要な教育的実践であると考えられます。
参考文献
•内田伸子(2012)『非認知能力を育てる保育』東京大学出版会
•Eisner, E. W. (2002). The Arts and the Creation of Mind. Yale University Press.
•岡田猛(2016)『創造性と教育:21世紀の学びを拓く』ミネルヴァ書房
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