絵の仕上がりも大切だけど、その過程が素晴らしいと思える時。
障害児が美術教育において、気づきから生まれる成長とは。
今日は、あえて完成された作品をお見せしません。というのは、制作途中で多くの気づきが生まれ、そのことから豊かなコミュニケーションが生まれ、また制作活動において矯正でなく、自然に行動に出た鉛筆の持ち方など気づきから生まれた行動が見られました。それは、彼自身が今後生きて行く上でとても大切な片鱗です。
子どもの美術教育において、気づきから生まれる成長は多岐にわたります。以下にその具体的な側面をいくつか挙げてみます。
1. 自己表現の発展
美術教育を通じて、子どもは自分の考えや感情を表現する方法を学びます。絵を描くことで自分の内面を視覚的に表現する力が養われます。このプロセスで、自分自身について新しい発見をすることができます。
2. 観察力の向上
美術活動を通して、子どもは周囲の世界をより注意深く観察するようになります。色、形、質感、光と影など、細部に気づく力が養われ、これが総合的な観察力の向上に繋がります。
3. 創造的思考の促進
美術は、創造的な問題解決を促進します。子どもは新しいアイデアを試し、失敗から学び、異なる素材や技法を使って表現することで創造的思考を養います。このプロセスで、柔軟な考え方と発想力が培われます。
4. 自信の構築
美術活動を通じて作品を完成させる体験は、子どもに達成感と自信を与えます。自分の作品を認めてもらったり、展示したりすることで自己肯定感が高まります。
5. コミュニケーション能力の向上
美術作品を通じて、他者と自分のアイデアや感情を共有することができます。作品について話し合うことで、コミュニケーション能力や批判的思考も育まれます。
6. 感性の豊かさ
美術を学ぶことで、子どもは色彩感覚や美的センス、バランス感覚など、芸術的な感性が豊かになります。これにより、他の芸術分野や日常生活においても感受性が高まります。
7. 文化的理解の深化
美術教育を通じて、子どもは異なる文化や歴史、芸術の多様性について学びます。これにより、他文化への理解や尊重の心が育まれ、グローバルな視野が広がります。
8. 集中力と忍耐力の強化
作品を完成させるためには集中力や忍耐力が求められます。細かな作業や長時間の制作活動を通じて、これらの能力が鍛えられます。
まとめ
子どもの美術教育における「気づき」は、自己表現や観察力、創造的思考など多くの面で成長を促します。
美術活動を通じて得られるこれらの気づきや発見は、子どもの総合的な発達に重要な役割を果たし、将来的な人格形成や学びの基盤となります。
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