発達に課題がある子どもたちの美術における共通感覚論
まずは、共通感覚論とは?
共通感覚論は、人間が生まれながらに持っている、客観的な世界に対する共通の認識や感覚を重視する思想です。いわば、人間が世界を理解するための「共通の土台」のようなものと考えられます。
発達に課題がある子どもたちの美術の文脈で「共通感覚論」を考える際には、いくつかの重要な点に注意する必要があります。
通常の共通感覚論との違い
•個性の尊重: 発達に課題がある子どもたちは、それぞれ異なる発達段階や特性を持っています。そのため、一般的な共通感覚論のように、すべての子どもに共通の感覚や認識があるとするのではなく、個々の違いを尊重し、その子独自の表現方法や感覚を大切にすることが重要です。
•多様な表現: 発達に課題がある子どもたちの表現は、健常な子どもたちとは異なる場合があります。例えば、言葉での表現が難しい子どもは、絵画や造形物を通して感情や考えを表現することがあります。そのため、多様な表現方法を認め、それぞれの表現に意味を見出すことが求められます。
•関係性の構築: 美術活動を通して、子どもたちは自分自身や周囲の世界との関係性を築いていきます。発達に課題がある子どもたちの場合、この関係性の構築がより重要になります。教師や周りの人との共感的な関わりを通じて、子どもたちは自己肯定感を高め、創造性を育むことができます。
発達に課題がある子どもたちの美術における共通感覚論の意義
•自己表現の機会: 美術活動は、子どもたちが自分の気持ちを表現し、自己理解を深めるための貴重な機会となります。
•コミュニケーションの促進: 作品を通して、子どもたちは周囲の人々とコミュニケーションを図ることができます。
•創造性の育成: 制限された枠組みの中でではなく、自由に表現することで、子どもたちの創造性が育まれます。
•心の癒し: 美術活動は、心の癒しやストレスの軽減にもつながります。
美術教育における実践
•個別の支援: それぞれの子どもの発達段階や興味に合わせて、個別に対応した支援を行います。
•多様な材料の提供: 様々な種類の画材や素材を提供し、子どもたちが自由に表現できるようにします。
•プロセス重視: 完成された作品よりも、作品を作り出す過程を重視します。
•共感的関わり: 子どもたちの表現に対して、共感的に向き合い、肯定的な言葉をかけて励まします。
発達に課題がある子どもたちの美術における共通感覚論は、一般的な共通感覚論とは異なり、個々の違いを尊重し、多様な表現を認め、関係性の構築を重視することが特長です。
美術活動を通して、子どもたちは自己肯定感を高め、創造性を育み、心の成長を促すことができます。
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発達に課題がある子どもたちの美術における共通感覚論
大場六夫's Art Random 僕の美術教育論
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