ネコの絵本から

この日のアート活動は、今回取り組んでくれた未就学児がこれまでアート活動は楽しいという思いが芽生え、アートに対する意識が定着しつつあります。今後は、さらに表現の楽しさをもっと知って感性がより磨かれることで自信やコミュニケーション能力、そして自然観察から主体的に色彩などが学べるようにといったことを目指す活動をと計画実行考えています。
その考えから今回は、ストーリー性のあるアート「一匹のネコ、二匹のネコ、三匹のネコ、四匹のネコ」といった4ページの創作絵本を作りました。
その制作途中で、普段では聞けない社会性のある言葉が多く出ました。
そのような活動によってもたらされる心の働きを、発達心理学、教育心理学の立場から考察します。

 創作絵本制作がもたらす心の働き 言語発達と社会性の促進 新たな語彙の習得 絵本制作を通じて、普段あまり耳にしない社会性のある言葉に触れる機会が増えます。これにより、語彙が豊かになり、言葉の理解力も深まります。

コミュニケーション能力の向上
自分の作品を説明したり、友だちと意見交換したりする中で、コミュニケーション能力が養われます。

共感性の育成。
絵本に登場するキャラクターの気持ちに共感することで、他者理解が深まり、共感性が育まれます。

認知発達の促進。
想像力の育成 ストーリーを考え、絵を描く過程で、想像力が豊かに育まれます。 問題解決能力の向上 絵の構図や色使いなどを考え、問題解決能力が養われます。

論理的思考力の育成。
ストーリーの流れを考え、論理的に構成する力が育まれます。

情意面の成長。
自己肯定感の向上 自分の作品を完成させ、人に発表することで、自己肯定感が高まります。 達成感の獲得 創作活動を通して、目標を達成し、達成感を味わうことができます。

表現力の向上。
自分の気持ちを絵や言葉で表現することで、自己表現力が向上します。

創造性と独創性の発揮。
オリジナルな作品作り 決まった枠にとらわれず、自由に表現することで、独創性が育まれます。

多様な表現方法の発見 絵を描くだけでなく、言葉や素材を使って表現することで、多様な表現方法を学びます。

発達心理学・教育心理学の視点からの考察
今回の創作絵本制作は、未就学児の発達にとって、以下の点で非常に意義深い活動と考えています。

統合的な学習。
言語、認知、情意、創造性など、様々な領域の発達を促す統合的な学習の場となっています。

主体的な学習。
子ども自身が主体的に活動し、学ぶことで、内発的な動機づけが生まれ、学習意欲が向上します。

社会性と個性との調和。
社会性のある言葉に触れながら、同時に自分の個性を表現することで、社会性と個性の調和が図られます。

今後の展望
この活動を発展させ、より効果的なアート教育へと繋げていくためには、以下のように考えられます。
多様な表現方法の導入 絵画だけでなく、粘土遊び、コラージュなど、様々な表現方法を取り入れることで、子どもたちの表現の幅を広げることができます。

自然との触れ合い。
自然観察を通して得たインスピレーションを作品に活かすことで、創造性をさらに高めることができます。

共同制作の機会。
他の子供たちと共同で作品を作ることで、協調性やコミュニケーション能力を養うことができます。

さらに深掘りしたい点。
年齢別の特徴

年齢によって、創作活動で得られるものは異なります。年齢に応じた発達段階を踏まえた指導が重要です。

個々の違い
子ども一人ひとりの個性や興味関心は様々です。それぞれの個性に合わせた支援活動が必要だと考えています。

環境の重要性
家庭や保育の場など、子どもを取り巻く自然を含めた環境が、創作活動を促進する上で大きな役割を果たします。 

大場六夫's Art Random 僕の美術教育論

アートは、膨大だ。想像は、無限。そのアートを子どもたち(障害児を含む)と一緒に取り組んでいます。参加者募集中です。全国どこからでも参加いただけます。

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