想像と表現。

この日は、3人の子どもがそれぞれ思いのまま、想像を働かせ絵を描きました。

その中でもA君は先日以来、色彩の分別による着色がしっかりとできています。

これまでの作品は、カラフルに仕上げることに専念していました。それは、色に慣れ親しむ、色に対し、自由自在に使えるようになるなど色に対する抵抗なく使える、考えられるといったことからその経験が想像につながればといった思いで美術教育をしていました。

そういった背景から前回の作品から色の分別を試みました。

しっかりと色の分別ができたことからこの部分はどの色系にしようか考案し、作品を完成させています。

この完成できたという経験が彼自身の心の領域が拡がっていると考えられ、表現力が豊かになり語彙力も深まだています。

また、この日同時にアートの活動に参加したB君。

新一年生でありながら、モチーフに対し、観る力が本来持ち合わせていたのですが、4月から絵を描くことが増えると同時に楽しいことを自覚したことから、創作活動が飛躍的に成長しています。

C君は、まだ未就学でありながら、普段通り豊かな感性と表現を基に、彼自身の能力を最大に発揮させるといった素晴らしい活動をしています。

カタチや色に対する想像を膨らませるという思考する子どものアート活動は、彼らの認知や行動の発達に関してさまざまな面において成長を促します。

以下にいくつかのポイントを挙げてみます。

認知発達

創造性

子どもは絵を描いたり工作をしたりすることで、自分のアイディアや感情を自由に表現します。これにより、創造的な思考力が育まれます。

視覚認知

色や形、空間の認識能力が向上します。例えば、物の大きさや遠近感を表現することで、視覚的な理解が深まります。

問題解決能力

アート活動では、どの材料を使うか、どうやって作品を完成させるかなど、様々な選択や判断が求められます。これにより、問題解決能力が養われます。

行動面の発達

集中力と持続力

アート活動に取り組むことで、子どもは長時間集中して一つのことに取り組む能力を養います。

自己表現とコミュニケーション

自分の考えや感情を作品に反映させることで、言葉以外の方法でのコミュニケーション能力が向上します。

社会性の発達

他の子どもたちと一緒に活動することで、協力や分担、意見交換の重要性を学びます。

情動面の発達

自己肯定感の向上

自分の作品を作り上げることで達成感を得られ、自己肯定感が高まります。

ストレス解消

アート活動はリラックス効果があり、ストレスの解消にも役立ちます。

これらの要素を総合的に見ることで、子どものアート活動が認知や行動の発達にどのように寄与しているかを理解することができます。


大場六夫's Art Random 僕の美術教育論

アートでできること。アートを理解する。アートで支援。アートで隔たりのない社会づくり。

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