絵本づくりを通して広がる子どもの世界。

本日のアート活動レポート:絵本づくりを通して広がる子どもの世界。

本日のアート活動は、「絵本作り」でした。これは、子どもたち一人ひとりの特性や思考の傾向を観察し、そこから導き出された活動です。

絵本づくりというプロセスは、自己の内面にあるイメージを言葉と絵で表現する複合的な作業であり、子どもの発達段階において非常に意義のある経験となります。発達心理学の観点では、幼児期から児童期にかけての子どもたちは、自己と他者、現実と空想との境界を行き来しながら、物語を構築する力を育んでいきます。今回の活動では、その「物語を生み出す力」が存分に発揮され、思わず大人も唸るようなユニークで可愛らしい発想がいくつも飛び出しました。

教育心理学的にも、このような自己表現の活動は、達成感や自己効力感を高め、内発的動機づけ(intrinsic motivation)を促進します。特に「自分だけの絵本」が完成する体験は、自己の表現が認められ、形として残る喜びにつながります。この「できた」という感覚が、学びへの意欲を支える大きな土台になります。

また、アート思考の側面から見ても、子どもたちが「正解のない問い」に自らの感性と経験で応えていく姿が印象的でした。絵本のストーリーは、既存の物語を模倣するものではなく、自分自身の視点から世界を再構築する行為です。このプロセスの中で、子どもたちは想像力を広げ、世界を多角的に見る力を自然と育んでいます。

完成した絵本は、子どもたちの個性や心の動きが色濃く反映され、かけがえのない作品となりました。絵の構成や言葉のチョイスに至るまで、一人ひとりが「自分の物語」を創りあげたことは、今後の創造的思考の土台となっていくことでしょう。


大場六夫's Art Random 僕の美術教育論

アートは、膨大だ。想像は、無限。そのアートを子どもたち(障害児を含む)と一緒に取り組んでいます。参加者募集中です。全国どこからでも参加いただけます。

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