体験会を通してみる幼児の心の成長
本日、11月から開校する「想像を育む美術教室」の体験会を行いました。
参加してくれた幼児たちは、それぞれの心の中にある“思い描く力”を存分に発揮し、自由で豊かな作品を生み出しました。制作の途中から完成に至るまで、幼児たちは笑顔を絶やさず、創作の過程そのものを楽しんでいました。
1. 「想像」の表現は、自己形成の第一歩
教育心理学において、幼児期は「自己の確立」の基盤が形づくられる重要な時期です。
この時期の子どもたちは、外界の刺激を受け取りながら「自分なりの世界」を心の中でつくり始めます。今回の活動でも、素材を手にした瞬間からそれぞれが独自の想像を思い描き、「こうしたい」「こんなの作ってみたい」と言葉や行動に表していました。これは、自己の内的世界を外化する=自己表現の原点であり、まさに「想像」が自己形成に働いている姿といえます。
2. 制作過程の楽しさが生む主体性と集中力
制作中の幼児たちは、「見てみて」と自発的に訴え、行動に移していました。
教育心理学では、こうした「自分から行動に移す姿勢を主体的行動と呼びます。主体性は単に行動の自立ではなく、内面の意欲や達成感によって支えられます。
作品づくりを楽しむ姿は、内発的動機づけ(intrinsic motivation)によるものであり、評価や報酬ではなく「やってみたい」という純粋な欲求から生まれる学びの理想的な形といえます。
まとめ
今回の体験会を通して、幼児たちは「想像すること」そのものを楽しみ、表現する喜びを感じていました。
教育心理学的にみれば、この経験は自己表現・主体性・共感性といった非認知能力の基礎を育む貴重な学びです。
本教室が目指す「想像を育む美術教育」は、単なる制作技術の習得ではなく、子どもたち一人ひとりの心にある“見えない光”を引き出す教育であることを、改めて実感する一日となりました。
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